
貴社の成長戦略に新たな選択肢を。
東京プロマーケットは、東証が運営する成長企業向けの株式市場です。グロース市場やプライム市場と比較して、上場基準が緩和されており、迅速な資金調達と企業価値向上を実現する可能性を秘めています。
ここでは東京プロマーケットのメリット・デメリット、上場基準、準備、そして東証の他市場との違いまで、企業の皆様が知りたい情報を網羅的に解説します。
東京プロマーケットを貴社の成長ステージにおける有力な一手とするために、ぜひご覧ください。
東京プロマーケットはどんな市場?

東京プロマーケットは、東京証券取引所が運営している株式市場で、2009年6月に開設されました。成長の可能性がある企業が、より簡単な手続きで株式を公開できるように作られた市場です。
東証のグロース市場やスタンダード市場、プライム市場と比べると、上場するための基準が緩やかなのが特徴です。
IPO(新規株式公開)を目指す中小企業やベンチャー企業にとって、東京プロマーケットは有力な選択肢のひとつとなります。東証の他の市場に上場するよりも、上場までの期間が短くて費用も抑えられる傾向があります。
東京プロマーケットは、開設当初はプロ投資家(金融機関や機関投資家など)だけが取引できる市場でした。しかし現在は、一定の条件を満たす個人投資家も「特定投資家」として認められれば、取引に参加できます。
東京プロマーケット上場のメリット
東京プロマーケットへの上場によって、企業は以下のような効果を期待できます。
■資金調達
株式を公開により、事業を大きくするために必要な資金を集めることが可能です。
■企業価値向上
上場することで会社の信用力や名前が広まり、企業としての価値が上がります。
■認知度アップ
上場企業としてニュースなどメディアに取り上げられる機会が増え、多くの人に会社を知ってもらえます。
上場のメリットについて、さらに詳しい内容は後ほど説明します。
東京プロマーケットの上場基準を確認

東京プロマーケットの上場基準は、大きく分けて「形式要件」と「実質要件」のふたつがあります。それぞれの要件を、JPX日本取引所グループの上場制度から抜粋してお伝えします。
形式要件|書類や手続きのルール
【必須】J-Adviser(指定取引参加者)の選任
上場を目指す企業は、上場準備をサポートしてくれる証券会社を選び、J-Adviser契約を結ぶ必要があります。J-Adviserは企業が上場に適しているかを、チェックする役割を担います。
J-Adviserは、主に以下のサポートを行います。
- 上場準備のアドバイス
- 審査に必要な書類の作成
- 上場後の広報活動(IR活動)のサポート…など
J-Adviserは上場準備の段階から企業を支え、上場審査でも重要な役割を果たします。
【重要】事業計画の作成と公開
上場を目指す企業は将来の事業計画を作り、投資家に向けて公開する必要があります。事業計画には事業の目標や戦略、リスクなどを含めます。
【確認】その他の形式要件
会社の設立からの期間や事業の継続性など、他にもいくつかの形式要件があります。ただし東証グロース市場などと比べると、これらの要件は比較的緩やかです。
実質要件|企業の中身に関するルール
【重要】企業内容の適正性
反社会的な勢力との関わりがないなど、企業として健全であることが求められます。
【重要】企業経営の健全性
粉飾決算などの不正がないように、企業経営がしっかりと行われていることが求められます。
【重要】継続的な事業遂行能力
将来にわたって事業を続けていける見込みがあることが必要です
上場審査の流れ|どんなステップを踏むのか?
東京プロマーケットの上場審査は、以下の流れで行われます。
①J-Adviserによる審査
J-Adviserが企業の事業内容、財務状況、内部管理体制などを詳しく審査し、上場に適しているか意見を表明します。
②東京証券取引所による審査
東京証券取引所がJ-Adviserの意見を参考にしながら、企業が上場基準を満たしているかを審査します。
③上場承認
審査に合格すると、東京証券取引所から上場が認められます。
上場までのスケジュール
上場までのスケジュールは、以下のとおりです。
準備期間
J-Adviser契約から上場までは、一般的には約2年かかります。
各段階での具体的なタスク
上場準備には、企業の状況によって期間は変わりますが、約2年を目安に考えるとよいでしょう。
■準備することの例
内部管理体制を整える
会計監査を受ける
情報公開の体制を作る…など
上場の準備が完了したら、J-Adviserによる上場審査を受けます。審査に通ったら、東京証券取引所に上場を申請します。
東京証券取引所の審査にも通れば、上場承認が得られ株式を公開できるようになります。
東京プロマーケット上場のメリット・デメリット

東京プロマーケットには多くのメリットがありますが、注意すべきデメリットも存在します。
特に市場での株式の取引が活発でないことや、上場を維持するための費用、情報公開の義務などが企業にとって課題となる場合があります。ここではそれぞれのデメリットについても詳しく説明します。
メリット|グロース市場と比べて上場しやすい
【メリット】上場基準が緩やか
東証グロース市場では、時価総額や株主数など数値で示された基準が細かく設定されています。
一方、東京プロマーケットではこれらの基準が緩やか、または設けられていません。そのため設立して間もない企業や、まだ実績が少ない企業でも上場しやすいのです。
上場基準が緩やかなため、上場準備にかかる期間や費用を抑えることができます。東証グロース市場への上場と比べて、監査期間が短い傾向があります。
さらに内部統制報告書や、四半期報告書の提出も義務ではありません。これにより上場準備の負担を減らせます。ただし「適時開示」は求められるため、一定の情報公開義務はあります。
※ 東証グロース市場の詳細記事は、「東証グロース上場基準満たして成長を加速【資金調達の最適解】」で取り上げています。
【メリット】早期の資金調達が可能
上場して株式を発行することで、早く資金を調達できます。集めた資金は、事業を成長させるための設備投資や人材採用、広告(マーケティング)費用などに使うことができます。
またM&A(企業の合併や買収)など、事業を大きくするための資金調達も可能です。
【メリット】企業価値と知名度が向上
上場することで企業の信用力や知名度が高まり、企業ブランドが強くなります。また「上場企業」というステータスを得ることで、優秀な人材が集まりやすくなるでしょう。
さらに取引先からの信頼も厚くなり、より有利な条件で契約できる可能性も高まります。
デメリット|注意しておきたい点
【デメリット】市場での取引が少ない
東京プロマーケットは東証グロース市場に比べて市場規模が小さく、取引に参加している投資家の数も限られています。そのため株式の取引は、活発になりにくい傾向があります。
株式の取引が少ないと株式の売買が成立しにくく、株価が安定しづらいというデメリットがあります。
また株式を売って資金を調達しようとする際に、買い手が少ないため、希望する価格で売れないことも考えられます。その結果、調達できる資金が少なくなってしまう可能性もあります。
【デメリット】上場維持コストがかかる
東京プロマーケットに上場している間は、J-Adviserとの契約を継続し、定期的に報酬を支払わなければなりません。さらに上場企業としての義務として、監査費用や情報公開のための費用など、多様なコストが発生します。
これらの費用は企業の規模や事業内容によって異なり、年間で数百万円から数千万円に及ぶこともあります。具体的な金額は、企業ごとの状況に左右されます。
【デメリット】情報公開の義務がある
上場企業は財務情報や事業情報など、多くの情報を定期的に公開しなければなりません。
情報公開には決算短信の作成や有価証券報告書の提出、適時開示など、さまざまな業務が含まれます。これらの業務には専門的な知識や人材が必要となり、企業にとって大きな負担となる場合もあります。
しかし情報公開をきちんと行うことで経営の透明性が高まり、投資家からの信頼を得ることにつながるという大切な役割もあります。
東京プロマーケットからグロース市場へのステップアップ

東京プロマーケットに上場した企業は、一定の条件を満たすことで、東証グロース市場へステップアップを目指すことができます。
東京プロマーケット上場後の成長戦略
東京プロマーケットに上場した後、グロース市場へのステップアップを目指すためには、以下の3つのポイントを中心とした成長戦略が必要です。
【成長戦略1】事業拡大
今の事業を強化するだけでなく、新しい事業を始めたりM&Aなどを活用したりして、事業規模を大きくしていく必要があります。市場でのシェアを広げたり、顧客基盤を強くしたりすることで、安定した収益を確保することが重要です。
【成長戦略2】収益性向上
売上を増やすだけでなく、コストを減らしたり仕事の効率を上げたりするなどして、収益性を高める必要があります。
グロース市場へのステップアップ要件である時価総額を達成するためには、収益性の向上が不可欠です。
【成長戦略3】内部統制の強化
上場企業として内部管理体制を強化し、法令やルールをきちんと守ることが求められます。内部統制の強化は企業の信頼性を高め、投資家からの評価を高めることにつながります。
グロース市場への市場変更の要件
グロース市場への市場変更には、以下の要件を満たす必要があります。
【形式要件】数値で見る基準
株主数:150人以上
流通株式数:1,000単位以上
流通株式時価総額:5億円以上
流通株式比率:25%以上
【実質要件】企業の中身を見る基準
- 高い成長の可能性がある事業計画を持っていること。
- 適切な企業統治(コーポレートガバナンス)体制を整えていること。
- 継続的に情報公開できる体制があること。
- その他、投資家保護の観点から必要な事項。
市場変更の準備|何をするべき?
市場変更の準備として、以下の点が重要になります。
【準備1】主幹事証券会社の選定
市場変更を成功させるためには、まず市場変更をサポートしてくれる証券会社、つまり主幹事証券会社を選びましょう。
主幹事証券会社は市場変更に向けた的確なアドバイス、複雑な審査書類の作成。そして証券取引所との重要な交渉を全面的にサポートしてくれます。
※ 主幹事証券会社に関する詳細は、「【IPOを成功に導く】主幹事証券会社の役割と選び方のポイント」で取り上げています。
【準備2】監査法人の変更
必要に応じて監査法人を変更します。監査法人は、企業の財務諸表を監査し、適切な会計処理が行われていることを確認します。
※ 監査法人に関する詳細は、「IPOにおける監査法人の役割と選び方|監査法人難民の対策も解説」で取り上げています。
【準備3】内部統制の再構築
グロース市場の基準を満たすよう、内部統制を再構築する必要があります。内部統制の再構築には、リスク管理体制の整備、内部監査の強化などが含まれます。
※ 内部統制に関する詳細は、「【IPO】株式上場における内部統制の必要性や目的や要素を解説」で取り上げています。
【準備4】IR活動の強化
投資家向け広報活動(IR活動)を強化し、企業の成長性や将来性をアピールする必要があります。IR活動の強化には、決算説明会の実施やIR資料の作成などが含まれます。
TPMからグロース市場へステップアップした企業例
情報収集・分析プラットフォーム「SPEEDA」を開発・運営する株式会社ユーザベースは、2013年に東京プロマーケットに上場した後、2016年に東証マザーズ市場(現グロース市場)にステップアップしました。
積極的な事業拡大と収益性の向上、内部管理体制の強化などによってステップアップを実現しました。
東京プロマーケット上場企業の事例

(注意:本リストは、記事作成時点での情報に基づいています。最新の情報は、日本取引所グループのウェブサイトをご確認ください。)
東京プロマーケットに上場している企業の特徴や傾向を知ることで、市場の現状が見えてきます。ここでは、業種別・規模別に代表的な上場企業を紹介し、それぞれの特徴をまとめます。
どんな企業が上場しているか?
東京プロマーケットには、サービス業、情報・通信業、不動産業、製造業など、様々な業種の企業が上場しています。
規模別に見ると、中小企業から中堅企業まで幅広い企業が上場しています。具体的な上場企業や最新の情報については、日本取引所グループのウェブサイトをご確認ください。
業種別の例
琉球アスティーダスポーツクラブ株式会社(プロ卓球チーム運営)
あさかわシステムズ株式会社(システム開発)
株式会社AIR-U(アプリ開発)
NO.1都市開発株式会社(不動産開発)
株式会社アーバンライク(アパート経営)
規模別の例
株式会社アイダ設計(住宅設計・販売、売上高500億円)
株式会社ダブルツリー(自動車販売、売上高153億円)
グローカルマーケティング株式会社(経営コンサルティング、売上高3億円)
上場企業の業績は?
東京プロマーケット上場企業の業績は、全体としては増加傾向にあります。
上場によって資金調達が可能になり、事業拡大や新規事業への投資を積極的に行う企業が増えていることが理由と考えられます。しかし個々の企業の業績は、業種や事業内容、経営状況によって大きく異なります。
株価の動きは?
東京プロマーケット上場企業の株価は、市場での取引が活発でないため、東証グロース市場などと比べて変動が大きくなる傾向があります。
上場後に株価が大きく上昇する企業もあれば、低迷する企業もあり、株価の動きは企業によって様々です。
上場廃止になるケースも
東京プロマーケットでは、上場廃止となる企業も存在します。主な上場廃止の理由は、以下のとおりです。
■市場変更
東証グロース市場など、他の市場へのステップアップに伴う上場廃止。
■M&A
他社による買収に伴う上場廃止
■経営戦略の変更
非上場化による経営の自由度向上
■情報開示の不備
継続開示義務違反などによる上場廃止
■J-Adviser契約の解除
J-Adviserとの契約解除による上場廃止
上場廃止企業の具体例
上場廃止の例としては、株式会社Kips(スタートアップ支援事業)が挙げられます。同社は新たな投資資金の確保や、IPO以外のEXIT(株式売却などによる投資回収)の多様化などを理由に、非上場化を選択しました。
TMPと東証(グロース、スタンダード、プライム)の違い

東京プロマーケット(TMP)と東証の各市場(グロース、スタンダード、プライム)は、それぞれ異なる特徴を持つ市場です。
企業は自社の成長段階や事業規模、資金調達の必要性などを考えて、最適な市場を選ぶ必要があります。
上場基準の違い|何が違う?
形式要件|数値基準の有無
東京プロマーケットでは次の形式要件が設けられていません。
- 株主数
- 流通株式数
- 流通株式比率
- 時価総額…など
一方、東証グロース市場、スタンダード市場、プライム市場では、これらの要件が厳しく定められています。
例えば、プライム市場では次のような高いハードルが設けられています。
- 株主数800人以上
- 流通株式数2万単位以上
- 流通株式時価総額100億円以上
- 流通株式比率35%以上…など
実質要件|求められる企業の中身
東京プロマーケットでは、次のような実質要件が求められます。f
- 企業内容の適正性
- 企業経営の健全性
- 継続的な事業遂行能力…など
東証グロース市場、スタンダード市場、プライム市場でも同様の実質要件が求められますが、それぞれの市場の特徴に合わせた項目が追加されています。
例えば、グロース市場では「高い成長可能性」、スタンダード市場では「安定した収益基盤と財務状況」、プライム市場では「優れた収益基盤と財務状況」が重視されます。
市場の特性|どんな特徴があるのか?
流動性|株式の取引の活発さ
東京プロマーケットは東証グロース市場、スタンダード市場、プライム市場と比べて市場規模が小さいです。また参加している投資家の数も少ないため、株式の取引は活発になりにくい傾向があります。
取引が活発でないということは、株式の売買が成立しにくいことを意味し、株価が安定しにくい、資金調達額が少なくなる可能性があるなどのデメリットがあります。
流動性の高い市場との比較
取引が活発でないということは、株式の売買が成立しにくいことを意味し、株価が安定しにくい、資金調達額が少なくなる可能性があるなどのデメリットがあります。
一方の東証グロース市場、スタンダード市場、プライム市場は、市場規模が大きく参加している投資家の数も多いことから、取引が活発な傾向にあります。
投資家層|どんな投資家が多いか
東京プロマーケットはプロ投資家向けの市場であるため、参加している投資家は金融機関、証券会社、投資ファンドなどのプロ投資家が中心です。
一方の東証グロース市場、スタンダード市場、プライム市場は、一般の投資家も参加できる市場であるため、幅広い投資家層から資金を調達できます。
上場にかかる費用|どれくらい違う?
初期費用|上場時にかかる費用
東京プロマーケットの上場にかかる初期費用は、一般的に2,000万円から4,000万円程度といわれています。これは東証グロース市場、スタンダード市場、プライム市場と比べて、低い水準です。
具体的な金額は、依頼する証券会社や監査法人によって大きく異なります。
東証グロース市場、スタンダード市場、プライム市場の上場にかかる初期費用は市場によって異なりますが、数千万円から数億円に及ぶ場合もあります 。
維持費用|上場後にかかる費用
東京プロマーケットの上場維持費用は、年間1,500万円から2,500万円程度が目安とされています。これも東証グロース市場、スタンダード市場、プライム市場と比べて、低い水準です。
具体的な金額は、依頼する証券会社や監査法人によって大きく異なります。
東証グロース市場、スタンダード市場、プライム市場の上場維持費用は市場によって異なりますが、年間数百万円から数千万円に及ぶ場合もあります。
各市場の選び方|どの市場が最適?
企業は自社の成長段階、事業規模、資金調達の必要性などを考慮して、最適な市場を選ぶ必要があります。
成長初期段階の企業
まだ実績が少ない企業や、早く資金調達を行いたい企業は、東京プロマーケットが適しているでしょう。
東京プロマーケットは上場基準が緩やかであるため、上場準備にかかる期間やコストを抑えられるからです。
成長段階の企業
一定の実績を上げ、より多くの資金を調達したい企業は東証グロース市場が適しています。
グロース市場は高い成長の可能性を持つ企業を対象としており、幅広い投資家層から資金を調達できます。。
成熟段階の企業
安定した収益基盤を持ち、大規模な資金調達を行いたい企業は、東証スタンダード市場またはプライム市場が適しているでしょう。
スタンダード市場とプライム市場は、より高い成長性や収益性、企業統治体制が求められます。その分、高い取引の活発さと知名度を期待することができます。
※ 東証の3市場に関する詳細記事は、「東証|プライム・スタンダード・グロースの違いと最適なIPO市場選び」で取り上げています。
上場準備のポイントと注意点|成功のために

最後に、東京プロマーケットへの上場準備におけるポイントと注意点を、次の4つの観点から解説します。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
J-Adviserとの連携|二人三脚で進める
J-Adviserは、東京プロマーケットへの上場を目指す企業にとって、上場準備をサポートする重要な役割を担います。適切J-Adviserを選定し、密なコミュニケーションを図ることで、スムーズな上場準備を進められます。
適切なJ-Adviserの選び方
J-Adviserは証券会社、銀行、監査法人など、様々な企業が提供しています。企業の規模や業種、上場準備の進捗状況によって適切なJ-Adviserは異なります。
J-Adviserを選ぶ際には、以下の点を考慮しましょう。
■実績と経験
東京プロマーケット上場支援の実績が豊富で、企業の業種に詳しいJ-Adviserを選ぶことが重要です。特に自社の事業内容や業界に詳しいJ-Adviserを選ぶことで、より的確なアドバイスを受けられます。
■専門性
財務や会計、法務など、上場準備に必要な専門知識を持つJ-Adviserを選びましょう。
■人的資源
上場準備をサポートする専任の担当者がいるか、チーム体制が整っているかを確認しましょう。
■費用
各J-Adviserの費用体系を比較し、自社の予算に合ったJ-Adviserを選びましょう。
■コミュニケーション
J-Adviserとの相性が重要です。信頼関係を築けるJ-Adviserを選びましょう。
J-Adviserとのコミュニケーションのコツ
J-Adviserとのコミュニケーションをスムーズに行うことは、上場準備を成功させるための重要なポイントです。
以下の点を意識して、J-Adviserと密に連携しましょう。
■定期的なミーティング
定期的にミーティングを設定し、進捗状況や課題を共有しましょう。
■情報共有
必要な情報をタイムリーにJ-Adviserに提供しましょう。
■質問
分からないことや疑問点は、積極的にJ-Adviserに質問しましょう。
■意見交換
J-Adviserの意見を尊重し、積極的に意見交換を行いましょう。
■J-Adviserによる審査への対応
J-Adviserは上場審査に必要な、審査のプロセスをサポートします。企業はJ-Adviserと協力して、必要な情報を収集し、適切な対応を行う必要があります。
積極的にコミュニケーションをとることで、問題を早く見つけて解決につながり、上場準備をスムーズに進められます。またJ-Adviserとの契約解除に関する条項も、事前に確認しておきましょう。
監査法人の選定|財務のプロの目
監査法人は上場準備監査や内部統制監査を通じて、企業の財務状況や内部統制システムの信頼性を保証する役割を担います。
上場準備監査の役割と重要性
上場準備監査は企業が作成した財務諸表が、一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に従って適切に作成されているかを監査するものです。
上場準備監査を受けることで、投資家に対して財務情報の信頼性を示すことができます。
内部統制監査の目的と内容
内部統制監査は企業の内部統制システムが、財務報告の信頼性を確保するために有効に機能しているかを監査するものです。
内部統制監査を受けることで、企業の内部管理体制の強化を図り、不正のリスクを減らすことにつなげられます。
監査法人の選び方|ここもチェック
監査法人を選定する際には、以下の点を考慮しましょう。特に監査法人としての独立性が重要です。
- 上場準備監査の実績
- 内部統制監査の経験
- 専門知識
- 費用
- 独立性
社内体制の構築|チーム一丸で取り組む
上場準備をスムーズに進めるためには、社内に上場準備チームを立ち上げ、役割分担を明確にする必要があります。また内部統制システムの構築や情報公開体制(ディスクロージャー体制)の整備も重要な課題となります。
上場準備チームの構成と役割分担
上場準備チームは経営者や財務担当者、法務担当者などの各部門から選ばれたメンバーで構成されます。
チームリーダーを決め、各メンバーの役割分担を明確にすることで、効率的に上場準備を進められます。
内部統制システムの構築|注意すべき点
内部統制システムの構築は、上場準備において重要なプロセスです。業務の流れを見える化したり、リスクを洗い出したり、適切な管理方法を考えるなどの様々な要素を考慮する必要があります。
情報公開体制の整備|必要なこと
情報公開体制(ディスクロージャー体制)は投資家に対して、企業情報を正確かつタイムリーに公開するための体制です。
情報公開のルールを決めたり、情報公開の責任者を決めたりするなど、適切な体制を整える必要があります。
東京プロマーケットの上場基準や情報公開のルールを理解し、それに合わせた体制を構築することが重要です。
上場後の内部統制のモニタリング
上場後も内部統制システムを継続的にチェック(モニタリング)し、必要に応じて改善していくことが重要です。
費用と資金調達|お金の準備も忘れずに
上場準備にはJ-Adviser費用や監査費用、印刷費などの様々な費用が発生します。また上場後の事業展開に必要な資金を調達することも重要です。
上場準備にかかる費用の内訳と目安
上場準備にかかる費用は企業の規模や業種、上場準備の進捗状況によって異なります。複数の業者から見積もりを取り、比較検討することをオススメします。
主な費用の内訳は次のとおりです。
- J-Adviser費用
- 監査費用
- 印刷費
- 書類作成等の法的費用
- その他上場関連費用。
より具体的には、以下の費用項目が挙げられます。
■J-Adviser費用
上場準備全般のアドバイス、書類作成支援、関係機関との交渉などにかかる費用。
■監査費用
上場準備監査、内部統制監査にかかる費用。
■印刷費
目論見書、有価証券届出書などの印刷費用。
■法定費用
証券取引所への上場申請費用、法定開示書類作成費用など。
■その他費用
IR活動費用、広報活動費用、システム改修費用など。
資金調達の方法|特徴と選び方
資金調達の方法には、株式発行によるエクイティファイナンスと、借入によるデットファイナンスがあります。
エクイティファイナンスは、株式を発行することで資金を調達する方法です。デットファイナンスは、金融機関などから借入を行うことで資金を調達する方法です。
それぞれの資金調達方法にはメリットとデメリットがあります。企業の財務状況や事業計画などを考慮し、適切な資金調達方法を選択する必要があります。
東京プロマーケット上場 成長戦略

東京プロマーケットは、成長意欲の高い企業にとって、スピーディーな資金調達と企業価値向上を両立できる魅力的な市場です。
上場基準の緩和、早期の資金調達、企業価値・認知度向上といったメリットがある一方で、市場の流動性の低さや上場維持コスト、情報開示義務といった注意点も存在します。
本記事では東京プロマーケットの基本情報から上場基準、メリット・デメリット、上場準備のポイント。東証の他市場との比較、そしてステップアップ戦略まで詳細に解説しました。
貴社が東京プロマーケットへの上場を検討する上で、本記事が最適な判断を下すための一助となれば幸いです。上場という新たなステージで、企業成長を力強く加速させていきましょう。